「清掃員って、やっぱり変な人が多いの?」 これから清掃の仕事を始めようと考えている方にとって、職場の人間関係は一番の不安要素かもしれません。
実は清掃員として働き始めたばかりの私も、同じような不安を抱えていました。しかし、清掃員として働く同僚のリアルは、世間のイメージとは少し違います。
そこで本記事では、私の実体験をもとに「なぜ、清掃員は変な人が多いと思われるのか?」を分析するとともに、「よくいる清掃員のタイプや特徴」や「万が一変な人が職場にいた場合の対処法」を包み隠さずお伝えします。
この記事を読めば、清掃現場の人間関係に対する漠然とした不安が解消され、自分に合った職場を見つけるヒントが得られるはずです。ぜひ最後までご覧ください。

なぜ、清掃員には変な人が多いと思われてしまうのか?

まず前提として、清掃員だから変な人が多いということはありません。どんな職種・どこの職場でも「クセが強い」「協調性が皆無」といった一定数の変な人はいます。
にもかかわらず、「清掃員は変な人が多いのでは?」という誤解が広まってしまうのは、清掃業に対する根強い社会的な偏見があることは否めません。
例として、一般的に清掃業には下記のようなイメージがあります。
- 汚くて悪臭がする誰もやりたくない仕事
- 年齢不問・未経験でも採用される低いハードル
- コミュニケーションが苦手な人が多い暗い職場 など
このようなネガティブなイメージから「清掃業=底辺の仕事」と言われるようになり、そこで働く清掃員には変な人が多いという偏見が生まれているのでしょう。
実際に私が働いている職場は「家計の足しに社会復帰した主婦」「セミリタイアした中高年男性」「将来の夢のために働く学生」など、清掃員になった理由はさまざまですが、皆いたって真面目で常識のある人ばかりです。少なくとも人間性に問題があるような明らかな「変な人」はいません。
私自身、清掃員のアルバイトを始める前は公共事業関係の正社員として働き、同じく底辺扱いされがちな警備員の採用面接も担当していました。
警備業も慢性的な人手不足でしたが、明らかに社会から逸脱したような「変な人」を採用した経験はありません。清掃員の募集でも無理に採用することはなく、明らかに「変な人」は面接で弾かれているのが実情でしょう。
清掃員に多い変な人とは?実際にいる職場の同僚をタイプ別に解説

私が働く清掃の現場は、トイレ・廊下・フロアなど担当エリアが分かれており、基本的に一人で黙々と作業を進める職場です。必然的に同僚との会話や協力作業は少なく、お互いの人柄を知る機会も限られます。
だからこそ、ちょっとした同僚の言動や行動から「もしかして、変な人?」と勘違いしてしまったことがあります。ここでは、そんな変な人と勘違いされやすい清掃員を5つのタイプに分けて解説します。
挨拶もできない「コミュ障タイプ」
清掃現場では、「挨拶しても返事がない」「目も合わせない」というタイプに出会うことがあります。一見すると無視されているように感じてしまいますが、実際はただ人付き合いが苦手なだけ。悪意があって挨拶を返さないわけではありません。
すれ違う時もそそくさと離れていくため、初めて関わる人からは少し「変な人」に見えることもあります。ただ、このタイプは黙々と作業をこなす人が多く、仕事自体は丁寧でミスも少ない傾向があります。
こちらが気にするほど相手は何も考えていません。挨拶を返してもらえなくても「こういうタイプなんだ」と割り切れば問題ありませんし、仕事で困ることはほぼありません。
距離感ゼロの「おしゃべりタイプ」
清掃業の現場では「コミュ障タイプ」よりもむしろ“よくしゃべる人”のほうが多いと感じます。移動中や休憩時に世間話をどんどん振ってきて、身の回りのことまで聞いてくるような距離感をグイっと縮めてくるタイプです。
明るく話してくれるので空気は和みやすく、現場のムードメーカーになっていることもあります。一方で、「コミュ障タイプ」で人と距離を置きたい人には、少し鬱陶しい存在かもしれません。
そんな性格の人は無理に話そうとせず、最低限の会話だけすれば問題はありません。「おしゃべりタイプ」は話したいだけなので、自然と話し掛けられる機会は減っていきます。
清掃へのこだわりが強い「職人タイプ」
60〜70代のベテラン清掃員には、わずかな汚れも許さない“職人肌”の人がいます。長年の経験からくる技術と知識があり、社員からの信頼も厚いタイプです。新人研修を任されていることも多く、指導を受ける機会も必然的に増えます。
ただし、仕事へのこだわりが強いぶん指導の口調も厳しく、「ここまで徹底しないといけないの?」と圧倒されることがあります。
作業スピードよりも“基本を丁寧に覚える姿勢”を重視する人が多く、仕事を教わるには適任の存在です。技術を盗むつもりで懐に入り、やる気さえ見せれば意外と可愛がってくれるでしょう。
効率重視の「適当タイプ」
「適当タイプ」と言われると、いい加減で社会に適応できない変な人と思われるかもしれませんが、ここでいう「適当」は決して悪い意味ではありません。
清掃の仕事は現場を綺麗にすることも大事ですが、時間内に作業を終わらせるスピードも求められます。その意味で、このタイプはよい意味で適当に効率よく作業することを重視しており、結果として現場全体の作業効率向上に貢献していることもあります。
ただし、その効率を重視したやり方が、「手を抜いて仕事をしている」と思われがちで、特に真面目な「職人タイプ」や、時間ギリギリまで丁寧に作業したい一部の同僚からは反感を持たれるケースもあります。そのため、仕事の真似をする際には注意が必要です。
行動が読めない「本当の変な人タイプ」
清掃員が変な人が多いのは世間の偏見として解説してきましたが、残念ながら、まったく変な人がいないという訳ではありません。いわゆる「本当に付き合いが難しい人」がごく少数いることも事実です。
このタイプは、普段は穏やかに見えても急に感情的になって、会社に対する不満をぶちまけたり、同僚と仕事のやり方で揉めたりすることがあります。行動が読めない感情の起伏があるため、周囲は疲弊してしまいます。
このような本当の「変な人」への対応は難しいです。基本的になるべく関わりを持たず、何か言われても気にしないようにするしかありませんが、根本的な解決にはなりません。もし、業務に支障が出るレベルのストレスを感じ、どうしても我慢できない場合の対処法については、次の章で詳しく説明します。
実は私の職場にも、ちょっとだけ「変な人」はいました。普段はコミュニケーションも取りやすく、仕事も熱心なタイプに見えましたが、仕事中に少しでも納得のいかないことがあると性格が豹変。社員に無理難題を言って、困らせる様子がたびたびありました。
結局、最後は社員と仕事のやり方で衝突してしまったようで、入社3か月程で退職。結局のところ「変な人」はそもそも採用されないか、運よく採用されたとしても仕事に適応できずに辞めていくのがオチなのかもしれません。
同僚の清掃員が変な人だったら?不安を解消する3つの対処法

前章で触れたように、職場には稀に本当に付き合いづらい「変な人」がいます。しかし清掃業は勤務形態の選択肢が多く、人間関係のストレスを少なくできる柔軟性が高い仕事でもあります。
ここでは清掃業に興味があっても「清掃員に変な人がいたらどうしよう…」と不安を抱える人に向けて、「変な人」との接点を少なくする現実的な対処法を3つ紹介します。
休憩時間がない短時間労働を選ぶ
清掃業は働く時間やシフトの選択肢が多いため、休憩時間がない短時間労働から仕事を始めてみると良いでしょう。
清掃は一人作業が中心であるため、仕事中に同僚と会話をすることは殆どありません。つまり、休憩時間さえなければ、変な人の相手をする機会を避けられます。清掃バイトは「勤務時間は黙々と作業に集中し、仕事が終わればサッと帰る」そんな割り切った働き方が可能です。
職場に変な人がいないことが確認できたら、勤務時間を長くしてもらうことやシフトを増やしてもらうことも比較的容易な点も清掃バイトならではと言えます。
変な人がいない現場に変更してもらう
配属された現場にどうしても合わない「変な人」がいる場合は、責任者に相談して担当を変えてもらうのも有効な手段です。
現在はどの清掃会社も人手不足が深刻なため、人間関係が原因で辞められてしまうくらいなら、別の現場に異動させて引き止めたいと考えてくれるでしょう。
ただし、スムーズに要望を聞き入れてもらうためには、会社から「辞められては困る人材」だと思われている必要があります。いざという時に相談に乗ってもらえるよう、日頃から真面目に仕事に取り組み、信頼を積み重ねておくことが大切です。
退職して新しい清掃の仕事を探す
上記の対処法でも解決せず、清掃業を続けていきたいなら思い切って今の職場を退職し、別の清掃会社に移ることをおすすめします。
清掃業界は他業界と比べても人手不足が深刻なため、次の職場もすぐに決まりやすく、仕事が決まらないリスクは少ないと言えます。
また、今の会社をすぐに辞めず、新しい会社で「週2日勤務」などの条件でダブルワークを始めてみるのも賢い方法です。まずはお試し感覚で働いてみて、職場の雰囲気や仕事量に問題ないと判断できたら、徐々に新しい仕事先にシフトしていくと無職になる心配もありません。

まとめ:清掃員に変な人が多い訳ではない!現場の同僚は真面目で良い人ばかり
この記事では、「清掃員は変な人が多い」という世間のイメージの背景を解説し、現場で出会う同僚のタイプや、具体的な対処法についてお伝えしました。
清掃業は、業務が基本的に一人作業であるため、そもそも人間関係のストレスを受けにくい職種です。仮に少し変わった人や苦手な人がいたとしても、清掃業特有の柔軟なシフト体制や人手不足の状況から、変な人を避ける働き方を選びやすい環境があります。
そもそも、私が働く職場の同僚は真面目で良い人が多く、人間関係でストレスを感じるような「変な人」はいません。正確に言うなら、ちょっとだけ「変な人」はいましたが、入社3ヶ月後に会社への不満を言い残し辞めていきました。
清掃員の仕事に興味を持ったものの、「清掃員には変な人が多いのでは?」といった世間のイメージだけで働くことを躊躇しているなら、過度な心配は不要です。ぜひ、本記事を参考に楽な気持ちで清掃員としての一歩を踏み出してください。

