ハローワークといえば、失業者が職探しのために通う場所というイメージを持たれている方も多いと思います。そのため、一般的なイメージもネガティブな印象を持たれる方が多いかもしれません。しかし、ハローワークは、必ずしも失業者のためだけの場所ではありません。
ここでは、副業探しとしてハローワークを活用するために、実際に副業探しのためにハローワークへ通い、職業相談を繰り返した経験をもとに、ハローワークにおける副業探しに焦点を絞ってお伝えします。
また、会社員時代に行政機関からの委託業務を20年以上行っていた経験から、行政機関の1つでもあるハローワーク職員との上手な接し方も併せて解説します。
- 副業をハローワークで探す基本的な利用方法を知りたい人
- ハローワークの職業相談をスムーズに行うためのポイントや体験談を知りたい人
- 副業をハローワークで探すメリット・デメリットを知りたい人
副業の仕事はハローワークで探せるの?
まずはじめに、ハローワークで副業を探すことはできるのかについての結論は、問題なく探すことが可能です。一般的には失業者に対する支援施設のあるイメージが強いですが、現在のコロナ禍による仕事に対する意識の変化もあり、本業は安定していても副業でより収入を増やしたいという人がハローワークを活用しているようです。
ハローワークで仕事を探すためには、一部例外を除いては、求職のための登録を行う必要があります。登録を行うことにより、求人検索だけでなく、ハローワーク職員による職業相談等、自分に合った良い副業を見つけるための手段も広がります。
副業探しの場合、失業中の方と比較すれば、仕事探しに余裕がある方も多いのではないかと思います。その意味でも、求人情報の選択肢が増えることに加え、ハローワークの職員に職業相談しながら仕事の精査をしていくこともできるため、副業探しの場としてもハローワークはオススメできる場所です。

ハローワークでの副業の探し方は?
ハローワークを効率よく最大限に利用するために必要なことがあります。ここでは、仕事を探すための基本的な流れについて、私が利用した東京都のハローワークでの経験に基づいて説明します。
求職登録手順
ハローワークを最大限に活用するためには、求職登録が必須の作業になります。求職登録を行うことにより、ハローワークのすべての求人情報を閲覧できるようになるだけでなく、職業相談や希望の会社への紹介状発行等をしてもらうことが可能になります。以下は求職登録の手順になります。
- パソコンやスマホからハローワークインターネットサービスの求職者マイページアカウント登録ページにアクセスして仮登録をする
- 最寄りのハローワークで本登録をする
- 受付票(ハローワークカード)を受け取る
※求職登録は、インターネットで仮登録を行わなくても、直接ハローワークで「求職申込書」に必要事項を記入することで本登録することは可能です。ただし、スムーズに登録するために、あらかじめ仮登録をしておくことをオススメします。
★インターネットでの仮登録方法等についての詳細は、ハローワークインターネットサービスをご確認ください。
求人情報の端末検索
ハローワークに求人検索用の専用端末が設置されているため、窓口に利用を申し出ることで使用することが可能です。希望の求人があれば、プリントアウトして職業相談の受付を行いましょう。
なお、ハローワークインターネットサービスの求人検索ページで受付票(ハローワークカード)に記載されている求職番号を入力することで、ハローワークに直接行かなくても求人検索は可能です。
職員への職業相談
受付票(ハローワークカード) を窓口に提出すると、就職相談の受付番号カードがもらえます。番号が呼ばれたら、該当窓口で担当職員に職業相談をすることができます。
就職相談では、希望する求人をもとに詳細情報の確認や紹介状の発行を行ってもらえます。また、履歴書の書き方や面接のやり方等の求人応募に関する相談事項にも応じてくれます。
職業相談をスムーズに進めるための方法については、次の「ハローワークでの副業探しの職業相談とは?」で詳しく解説します。
ハローワークでの副業探しのための職業相談とは?
ネットやSNS等でハローワークについて検索をしていると、ハローワーク職員への職業相談について親切丁寧に対応してもらったという声がある一方で、横暴な態度や見下されたような気持ちになるような言動があった等、否定的な声を見かけることがあります。
そのため、ハローワークで職業相談をすることに苦手意識や抵抗感を感じている方もいるのではないでしょうか。ましてや副業をハローワークで探すことは、あまり一般的なイメージとしてないことから、どのような反応をされるのか不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、私自身が副業探しをハローワークで行った経験をもとにすれば、職業相談に対してネガティブなイメージを持つことはありませんでした。その経験談とともにハローワークにおける職業相談をする上でお役に立てる情報をお伝えします。
実際にハローワーク職員に職業相談をした印象は?
実際に私自身がハローワークで職業相談をした回数は現在まで約10回程度。いずれも短時間労働や週末だけの仕事等、副業可能な求人についての相談を行っています。
その結果として、ハローワーク職員にもった印象は、驚くほど丁寧で細やかな対応をしていただけるというものでした。以下はその一例になります。
- 職業相談の際に席を立って迎え入れてくれるだけでなく、相談後も同様に見送りをしてくれた。
- 傾聴姿勢が徹底されており、こちらからの質問・相談をすべて聞き入れてから回答をしてくれた。
- 職業相談の内容に応じ、参考情報として求人資料を郵送してくれることがあった。
ちなみに職業相談をしたハローワークの職員の方は、相談の度に違う方が担当をしていただきました。いずれの方も、同じような対応をしていただいているため、職員側の対応マニュアルのようなものが存在するのかもしれません。
ハローワークの場所によっては、必ずしも良い職員ばかりではないかもしれませんが、私自身は非常に相談しやすい印象を受けました。少なくともハローワークにあまり良いイメージがないというだけで、副業を探す選択肢から外してしまうのは勿体ない行為です。
職業相談をスムーズに行うためのポイントは?
職業相談をスムーズに行うためのポイントは2つあります。
1つ目は、ハローワークに求職登録を行う際に、可能な限りの情報をあらかじめ入力しておくことです。新たな求職状況をこちらから職員へ伝えない限りは、就職相談は登録情報をもとに進められることが多いため、職員に現状を伝える手間が軽減できます。
2つ目は、あらかじめ職員の方へどのような質問・相談をするのかを整理しておくことです。職員から現状の求職状況について問われるだけでは、意味のある相談にはなりません。こちらから、どのような希望があるのかをはっきり示しておくことが重要です。その際は、無暗に質問を繰り返すのではなく、ポイントを3つ程度に絞って質問を行いましょう。簡潔かつ具体性があれば、職員も回答がしやすくなります。
ハローワーク職員から情報を聞き出す秘策とは?
私は、約20年の間、行政機関の委託会社の社員として仕事をしてきた経験があります。そのため、行政機関の職員の一般的な対応のクセが良くわかります。同じく行政機関であるハローワークの職員に対しても同様のクセがあることを感じました。それは、以下の2つのことです。
- 必要以上の話をしない
- 断定的な言い回しをしない
とにかく、公務員もしくはそれに準ずるような職員の方は、あまり必要以上のことを話そうとはしません。それは効率重視というよりは、役所として余計な情報を漏らすことを恐れるために控えている印象を受けます。
だからこそ、こちらから積極的に質問をすることが重要になります。余程のことではない限り、質問には何かしら回答をしてくれることから、質問の準備を入念に行うことがより良い情報を入手するためには不可欠です。
一方で、質問に対して断定的な回答を避ける傾向があります。それも、余計なトラブルを招くリスクを抑えるための対応だと思われます。
しかし、ここで抽象的な回答を受けるだけでは、職業相談の意味が薄れてしまいます。それを回避するために、職員に対して「あくまで個人的な感想で構わないのでご意見をいただきたい」とか「肌感覚ではどのような感じか」とか、役所全体の意見を求めている訳ではないことを明確にしてあげることで、職員の回答を引き出しやすくなります。付け加えるのなら、「私はこう思っているが担当者の方はどう思いますか」等という言い回しは、よりピンポイントで求める情報を得ることできます。
実はこれまでの内容は、会社員時代に懇意にしていただいていた行政機関の職員から、このように伝えてもらえると話しやすくなると言われたことでもあります。
もちろん、職員によって個人差はありますが、行政機関の職員対応の1つのテクニックとして使える場面もあるため、もう少し深堀りして情報を聞き出したいときに試してみる価値はあるのではないでしょうか。
ハローワークでオススメされた副業は?
ハローワークで副業としてオススメできる仕事について職業相談をした結果、複数名の職員から紹介されたものは、次の3つの仕事になります。これは副業として行うことができる短時間もしくは週末限定等の仕事で、ハローワークで一定の求人数がある仕事という見方もできます。
- オフィスビルの清掃員
- 施設・交通誘導等の警備員
- 高齢者施設の介護職員
特に目新しいものはないと感じるかもしれませんが、ハローワーク限定の求人情報もあり、ハローワークの職員を通じて求人をしている会社に必要な情報を聞いてもらうことも可能です。
副業の職種としてオススメということだけでなく、求人をしている会社についての情報等も得られる可能性があることから、オススメの副業という観点をさらに絞って、副業にオススメの会社という観点から仕事を探してみるのも良いかもしれません。
ハローワークでもオススメされた施設警備員の仕事はコチラ「【副業にもオススメ!】楽で暇って本当?施設警備員バイトの秘密を元採用担当者が教えます!」で詳しく解説しています。
ハローワークで副業を探すメリット・デメリットは?
他の求人広告等と比較した場合のハローワークを利用するメリット・デメリットについて、実際に私がハローワークを利用した経験をもとに説明します。
メリットについて
ハローワークを利用することで、メリットを感じたことは…
- ハローワーク限定の求人がある。
- 公共機関の求人のため一定の安心感がある
- 職業相談を通じて仕事のアドバイスをもらえる
なかでも、無料で職業相談が行えるのは、個人の主観のみで就職活動をするよりも、さまざまなアドバイスを受けることで視野を広げることができます。特に副業探しの場合は、すぐに仕事をみつけないと生活ができないという状況は少ないことから、相談を繰り返しながら時間をかけて仕事を探すことができるため適しています。
ハローワーク限定の求人がある一方で、ハローワークでは見つけにくい仕事もあります。副業としてオススメの水道メーター検針員もその一つ。私が水道メーター検針の受託会社で働いていたときには、一般の求人誌を中心で募集をしていました。コチラ「Uber Eats(ウーバーイーツ )に代わる副業バイトはコレ!水道メーター検針員をオススメする7つの理由」では、水道メーター検針員をオススメする理由について詳しく解説しています。
デメリットについて
ハローワークを利用することで、デメリットを感じたことは…
- 古い求人情報が混在しており無駄な時間を費やす可能性がある
- 混雑している時間帯は落ち着いて求人探し等ができない
- 職員によって知識量や経験値が異なるためすべてのアドバイスを鵜吞みにはできない
もっとも大きなメリットでもある職業相談ですが、職員の力量によっては就職活動における判断を迷わせることもあります。そのため、自分自身でも求職活動に対する知識を身に着けることが大事です。また、情報の精度を上げる意味でも、一人の職員の意見だけでなく、複数の職員の意見を聞くことが必要です。
ハローワークにおける求人情報やアドバイスだけでなく、副業や求職活動の知識を身に付けることも重要です。コチラ「年齢不問、無資格・未経験でOK!確実に稼げるお気楽オススメ副業バイト7選」でもオススメの副業を紹介しているので是非ご覧ください。
まとめ
副業探しの場としては、あまり馴染みのないハローワークですが、職業相談の場があることで一般的な求人広告で仕事を探す以上に自分にあった仕事を見つけられる可能性があります。
ハローワークでの副業探しをより意味のあるものとするためには、ハローワークでの求職活動の基本や職員対応についても事前に把握しておくことも大切です。
無料でこれだけの情報とサポートを行ってくれる場は、まず他にありません。失業中の求職の場であるイメージが強いことから、ハローワークの利用を躊躇する方も多いかもしれませんが、副業探しの選択肢を広げる意味でも、是非一度お試しください。
