行政書士

行政書士合格はすごいのか?資格取得から20年目の真実

合格と不合格のイメージ写真

行政書士の世間の評価は必ずしも一致していません。士業という名前だけですごいと思われることもあれば、誰でも取れる資格と揶揄されることもあります。

果たして、本当の行政書士資格の価値はどうなのか?

私が行政書士に合格したのは、20代の頃。今から20年以上も昔の話です。そのため、20代から40代となった現在に至るまで、行政書士の社会的な評価がどのようなものか身をもって体験してきています。

その体験をもとにすると「行政書士合格はすごいのか?」の私の結論は「すごい!」。

ただし、この「すごい!」は、行政書士資格の見方や使い方によっても大きく評価が変わります。

その理由について、私の資格取得から20年経過した現在までの体験談をもとに、行政書士合格の価値についてお伝えします。

行政書士の資格挑戦から開業までの「やることリスト」はコチラをご覧ください。

こんな人に読んでもらいたい
  • データや世間の声から行政書士資格の難易度を知りたい人
  • 行政書士合格してから20年間で感じた資格の価値を知りたい人
  • 「行政書士合格はすごいのか?」を率直に知りたい人

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行政書士資格の難易度

行政書士合格の価値を客観的に評価するために、ここでは行政書士の難易度について、他士業資格との比較データや世間の声から行政書士合格のすごさについて説明します。

他士業との比較

行政書士のすごさを測るデータとして、代表的な8士業の「合格率」「勉強時間」「年収」の計3つの数値をまとめた比較表は以下のとおりです。

名称合格率勉強時間年収監督官庁
弁護士22~39%3,000~8,000h945.4万なし
弁理士6~10%3,000h945.4万特許庁
司法書士3~4%3,000h945.4万法務省
土地家屋調査士7~9%1,000h945.4万法務省
税理士12~15%2,000~2,500h658.6万国税庁
海事代理士48~54%500h測定不能国土交通省
社会保険労務士4~6%800h1029.5万厚生労働省
行政書士8~15%800~1,000h584.4万総務省

アガルート調査より抜粋

この比較表を見て、士業資格について多少なりとも知識がある方なら「なんかおかしくない?」と思われる方も多いのではないでしょうか。それにはいくつかの理由があります。

まず、最難関といわれる弁護士の「合格率」が高いことについて。これは弁護士試験が一定の要件を満たさない限り受験することすらできないためです。海事代理士についても、認知度が低く受験者数も少ないため受験者の本気度が違うことが推測されています。そのため、受験者のレベルがそもそも違うことが高い「合格率」の理由になっています。

また、「年収」についてはどの数値をとっても疑問を感じる結果となっています。経費の計上方法が異なる等のさまざまな理由があるようですが、明らかに実情と一致するようなデータとは思えません。調査会社によって数値の差異が大きいことも信ぴょう性が低い理由でしょう。

その意味では、3つの数値の中で比較的納得感があるのは「勉強時間」で、調査会社による数値の差異も比較的少ない結果になっています。行政書士の勉強時間は、800~1,000時間が相場となっており、簡単に合格できる資格ではないことがわかります。

ちなみに大学の偏差値に換算すると、行政書士はマーチレベルで偏差値は60程度。同レベルの法学部卒業者でも落ちる試験といわれることもあるようです。

ネット上でもマーチ卒業者の書き込みとして「弁護士・司法書士と比べると取りやすいだけでほとんどの人は挫折します」(Yahoo!知恵袋参照)とあり、難易度の高さを窺わせます。

最近は昔と比較して行政書士試験の難易度が上がっていることも踏まえ、いずれのデータからも「行政書士合格はすごい」ことを示しています。

行政書士に対する世間の声

行政書士の名前は知っていても、行政書士資格や仕事内容を理解している人は、一般的にはほとんどいません。このことが、さまざまな誤解を生んでいる原因にもなっています。

そこで行政書士に対する認識について、世間の声を確認してみました。

❝Yahoo!の仕事のなやみQ&A 教えて仕事の先生❞に「行政書士って、すごいですか?」の質問スレッドがあります。この回答を一部要約して紹介すると…

合格率が1桁~10%前後を推移している行政書士合格はすごい

行政書士合格はすごいけど行政書士の職はすごいとは思えない

法律の基礎を勉強したんだなって程度

宅建が法律の入門試験、行政書士が法律の基礎試験

本当の意味で実務家と呼ばれるのは司法書士・税理士・弁理士等のクラス

試験が難しいか?という事なら、まあまあ難しいといえるくらい

行政職公務員として20年も働いていないと取得できない資格だと思うとすごい

役所(行政事務)で20年勤めれば誰でもなれる

私からみたらすごい人だと思う

こうして行政書士に対する世間の声を聞くと、さまざまな意見が混在していることがわかります。

1つ補足するならば、ここに書き込みをしている人は行政書士や資格試験について、ある程度の知識や興味を持っている人たちのものです。

そのため、一般的な人の意見として多いのは、最後の「私からみたらすごい人だと思う」という回答が一番近いのではないかと感じます。それは私自身の体験にもとづくものです。詳しくは次の「資格取得から20年目の真実」で説明します。

行政書士試験が簡単と言われる理由の1つとして、難関資格と言われながらも独学でも合格可能とされていることがあります。実際に私は独学で合格しているため、その事実は否定しません。

しかし、私が合格した20年前と比較して難易度が大きく上がっているといわれている今、もし行政書士試験を受ける人にアドバイスをするなら、独学はオススメしません。それだけ行政書士試験の難しさを感じているからです。

勉強のイメージ写真
40代が行政書士試験を受けるなら独学はオススメしない3つの理由行政書士試験は独学でも合格できる資格です。しかしながら、40代から行政書士を目指すのであれば独学はオススメできません。その理由とともに40代だからこそ、独学ではなく資格講座をオススメする理由について解説します。...

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資格取得から20年目の真実

ここでは、行政書士合格のデータや世間の声と比較しながら、資格取得から20年たった今だからこそ感じる実体験としての行政書士合格のすごさについて説明します。

頭がいいと思われることが多い

前述したように、行政書士に合格することは、決して簡単なことではありません。しかしながら、世間の声の中には一定数の行政書士に対する低い評価があることも事実です。

では、実際に行政書士資格を持っていることを話したら、周囲はどのような反応をするのか?

私の経験上でもっとも多いのは「すごい!」と言われることです。やはり、一般的には難易度の高い資格という認識が高いからでしょう。そして、そのあとに続くのが、「頭がいい!」と思われることです。

ここでのポイントは「頭がいい」のではなく、「頭がいいと思われる」ところです。

実際に行政書士の知識は法律リテラシーを高め、仕事やプライベートでも役に立ちます。ただし、その知識を発揮する場がなくても、なぜか、頭がいいと思われるようになるのです。

この事実は一般的な人からすれば、弁護士や司法書士と同じくくりで行政書士を見ているからでしょう。その不確かな行政書士のイメージによって、行政書士合格の価値が少し高く見積もられているようにも感じます。

ただし、実際の行政書士の難易度以上の評価だったとしても、頭がいいと思われることに悪い気はしません。人によっては自己肯定感が高まることもあります。

行政書士合格に対する周囲の反応が「すごい!」だったとして、それが多少の勘違いが含まれるとしても「すごいと思われる」ことに変わりありません。

ネット上では行政書士に関するネガティブな情報が多くあります。その1つが「行政書士はやめとけ!」という言葉。しかし、発信者は匿名のことが多く、その根拠は曖昧なものばかり。

以下の記事はそんなネガティブな情報を払拭する実体験ベースの資格取得のメリットについてお伝えしています。

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金を稼ぐ手段がたくさんある

行政書士に合格したことで、もっとも大きな価値を感じたのは金を稼ぐ手段が増えたことです。前述した「頭がいいと思われる」とは違い、はっきりとした実用性もあります。

具体的な金を稼ぐ手段として…

  • 独立開業
  • WEBライター
  • ブログ、YouTube運営

上記以外にも行政書士資格の汎用性を考えれば、アイデア次第で他にも方法はあるはずです。これだけ金を稼ぐ手段があるのは、行政書士資格が権威性や信頼性のある「すごい資格」として認知されているからでもあります。

行政書士資格を取れば、資格合格のため情報発信をすることも可能。その体験談を知りたいと思っている人がいるからです。

ちなみに、このブログも行政書士というテーマをメインの1つに扱って収益が発生しています。一般的には、資格だけでは行政書士事務所に就職するのは難しく、独立開業しか資格を活かす道はないと思われがちですが、資格の使い方によっては金を稼ぐ手段を増やすことが可能です。

なお、今回ご紹介したブログ運営は行政書士と非常に相性がよく、相乗効果も見込めるプラットフォームです。興味のある方は下記の記事もご覧ください。

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資格のコスパの良さを実感する

行政書士資格を取った直後は、開業することも資格で稼ぐことも考えてはいませんでした。しかし、20年も経過した今、行政書士資格が私の人生を救ってくれる結果となっています。

私は行政書士合格後、司法書士を目指している時期がありましたが、難易度のあまりの違いにテキストをサラッと見た段階で早々に挫折した経験があります。

それは司法書士の資格勉強にドップリ浸かってしまったら、合格までに何年かかるかわからない。それどころか合格することさえできないと感じたからです。

個人差はあるものの行政書士よりも上位資格となると何年勉強しても合格できないリスクがあります。その点、1年程度あれば合格できる可能性のある行政書士はコスパの良い資格ともいえます。

しかも世間的なイメージは弁護士や司法書士と同じようにすごい資格として認知され、金を稼ぐための実用性もあることは前述したとおりです。

さらに、行政書士資格は更新制度もない、一度取得すれば一生ものの資格。あらゆる面でコスパがすごい資格です。

私が40代・未経験・コネなしで行政書士開業を決めた理由は、行政書士がすごいと感じていたからこそ。行政書士が意味のない資格と思っていたら、独立開業など考えていなかったでしょう。

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おわりに

行政書士に合格することは、間違いなくすごいことです。しかしながら、8士業にも選ばれている代表的な士業であるからこそ、弁護士や司法書士等の上位資格と比較され、ネガティブな情報が発信されていることも事実です。

ただし、ネガティブな情報のほとんどは、情報源がはっきりしない不確かなもの。私自身の行政書士合格後の20年を振り返っても、世間一般の大多数の人は、行政書士合格をネガティブに考えるような人はいませんでした。

行政書士合格を目指している人やすでに資格取得をしている人がネガティブな情報に惑わされることなく、「行政書士合格はすごい!」とポジティブに行政書士について考えていただけたら幸いです。

行政書士の資格挑戦から開業までの「やることリスト」はコチラをご覧ください。

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